11月の特養の特別な食事はどうする?旬や食材を活かしたいところですよね
はじめに
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どこの特別養護老人ホームでも、
食事の企画や計画には力を入れているものです。
一ヶ月単位での工夫、
週単位での工夫、
日々の細やかな工夫。
大中小のビジョンで、毎月の予算から栄養士さんが四苦八苦して考え抜かれています。
11月の特別なお食事を用意したい!
高齢者さんにしっかり食事を楽しんでいただく工夫。
この辺りを記事にしてみました。
11月の特養の特別な食事はどうする?
特別養護老人ホームでのお食事。
通称特養には、基本的に要介護3~5の高齢者さんが入居されています。
そのお食事…常食と呼ばれる一般的な定食に近いような
お食事を召し上がられている高齢者さんは、
じつは、とても少ないものです。
では、どのような食事が用意されているのか?
□ 行事食( 普段とは違う食材や旬、見目を活かしたお料理 )
□ 常食( 一般的には定食メニューみたいなタイプ )
□ 一口大刻み食( 一口大におかずが切られているタイプ )
□ 微塵切りの刻み食( もはや元が何かは説明がないと分からないレベル )
□ ペースト食( すり潰しやトロミ剤がかかりさらに何か分からないレベルに… )
□ ミキサー食( 完全に粒がなくなり、ドロリとしています )
□ とろみ添加食( ミキサーにさらにトロミ剤がまざったドロドロ食です )
□ ゼリー食( ゼリーで固められたタイプですね…液状ゼロです )
□ 減塩食( 元々一般より少ない高齢者食ですが、さらに塩分控えめで )
□ 糖尿病食( 糖尿病の方に合わせて吟味されたメニューに )
□ 腎臓病食( 腎機能の低下した方に合わせて吟味されたメニュー )
□ 五分粥五分菜食( 食物繊維を少なくしたり、食べやすさをさらに追及 )
□ 高カロリー食( 病中病後などに回復をお手伝いするための食事 )
だいたい7~10種くらいに加工されています。
高齢者さんの飲み込み・嚥下能力によって、合わせて変更していきます。
食事メニューや旬や食材を取り入れてみたり、工夫が大変です。
まさかレトルト調理済み食品や別メニューなんてことは?
どう見ましても、定食に比べて手間暇が大きいものですから、
ついレトルトなど既製品に頼りたくなりますし、
食材アレンジの工夫が滞ってメニューが簡素化されちゃいがちかなぁ…
なんて想像してしまった次第です。
さて、11月は文化の日、勤労感謝の日と2つの祝日があります。
ここに合わせて特別なお食事を用意してみませんか?
文化の日は、元々は明治の日。
ご高齢であるほど、明治の日のイメージは強いものです。
明治時代は45年ありましたが、
江戸時代から時代が変わり、文明開化に沿って食事事情も大きく変わったと言われます。
が、そこは高所得層だけであり、
庶民は戦後まもなくまで大きな差異は本当は無かったのではないかと思います。
そこはともかくです、調味料や高級食材なんて、庶民には戦後のことでして…。
戦前の頃の食事を研究しまして復元してみても、
立派な行事食になると思います。
そして勤労感謝の日は、
新嘗祭という祭事の日として有名です。
お米の日です。
お米料理にこだわってみても、行事食を外さない出来に仕上がることでしょう。
高齢者さんに馴染み深いのは、
□ 旬・素材
□ 焼く・煮る・炊く
□ 塩・醤油・味噌
この辺りは、代々の歴史ある伝統料理のベースになってきたところです。
ですから、揚げ物や調味料での複雑な味付けを外してみましても、
素朴で感動ある料理を演出できるのではないでしょうか?
11月の特養の特別な食事は旬や素材を活かそう!
11月は新米の季節。
新米の瑞々しさ、鮮烈さは昔であるほど感動して待ちわびた味の1つのはずです。
現代社会風に全国から30種類のお米を取り寄せて食卓へ…
という日々の変化テーマに採用してみても楽しいかもしれません。
あるいは、お米の炊き方にこだわってみませんか?
釜炊きに挑戦されてみたり、飯盒炊飯といった炊き方の変化も楽しめることでしょう。
お米をおむすびにしたり、お粥にしたり、お米を入れ替えて…
お食事を摂る高齢者さんの満足度がどう変化するのか?
それとも変化は全く出ないのか?
素材1つで、出ないはずはない…です。
お米1つでも、工夫の仕方はいろいろです。
え?
お金がかかる?
お金はかける価値があるところにかけるもの。
美味しいであろう食事の企画の説明を行い、
常の食費以上にかかる分については将来性も含めて説明して各ご利用者様に負担を求めます。
高齢者さん、職員さんの全人数で分担を割って、
さらに日数を加味しますと、けっこう少額で実現できる工夫になります。
もちろん、文書作成や説明の手間を怠りますと、
取り組めませんし、何も実現しない世界でもあります。
11月の特養の特別な食事をより楽しむ工夫をご紹介
先ほど、少し説明しました塩、醤油、味噌。
じつは、各施設で場所さえあれば作れます。
皆で、たくさん仕込んで1年使える…。
そこまで取り組みますと完璧です。
あ…入居者さんの人数分、365日を計算することをお忘れなく…。
はぃ…全国を探してみましても、まず、このような施設はありません。
仕込みから完成まで施設の特製で…。
1品ずつレクリエーションで取り組まれてみると良いと思います。
数年後の高齢者さんは味噌、塩、醤油の自家製をしたことがない世代になります。
その前に施設の伝統を築くというのも1つの方法です。
味噌、塩、醤油をクリアしましたら、買わなくていい調味料になります。
そしたら、高い食材に少しはコストをシフトできるでしょう?
高いなりに、理由のある食材たち。
同量であっても、希少性に栄養価といった要素は一律になりません…。
もちろん、満遍なくバランスよくメニューを考えることが大事です。
最後に口幅ったくなりましたが、
工夫を追及していく姿勢はコスト減になりつつ、逆に豊かさを創出していくことでしょう。
…話題がそれまくりましたが…。
11月、日本人にとってソウルフードの1つと言える新米の時期。
文化と合わせて再検討してみることも有意義ではないでしょうか?
まとめ
お米。
11月の新嘗祭に紐付けしました。
調味料作りと話題を繋げましたが、
□ 炊き込みご飯
□ パエリア
□ ドリア
□ ピラフ
□ カレー・シチュー・ハヤシライス
□ 焼きおむすび
□ 雑炊
□ 丼もの
□ 汁掛けご飯
□ お茶漬け
いろいろなバリエーションがお米で考えられます。
芋栗南瓜の活用も忘れずに…。
さつまいもは焼き芋へ。
里芋は煮っ転がしへ。
栗は栗きんとんとモンブランへ。
南瓜は煮物へ。
オーソドックスにはこうなりますが、
□ さつまいもは芋ご飯へ。
□ 里芋はフライドポテトへ。
□ 栗は栗ご飯と蒸かし栗へ。
□ かぼちゃはパンプキンスープへ。
ちょっと、オシャレで、華やかでしょう?
と、同時に料理のバリエーションは無限にあるということです。
秋の終わり11月。
寒さが少しずつ増していきます。
温かくも懐かしい…。
そんな味で一ヶ月を埋め尽くしてみてはいかがでしょう?
毎日が特別食で懐かしい味。
これが特養の完成形のあり方の1つではないかなぁと思います。
誠にありがとうございました。
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