夏の肌は忙しすぎる!~アブラギッシュから日焼け止め・虫よけまで~

[ 旬の食と暮らし ]

はじめに…夏の顔は何故こんなに忙しい?

玄関を開けた瞬間、ムワッと押し寄せる熱気。駅まで歩けば額には汗、鏡を見れば鼻や頬はいつの間にかアブラギッシュ。「サッパリしたい」と脂取り紙に手を伸ばし、汗も気になるからスキンケアシート、それでも外へ出るなら日焼け止め、夕方の草むらなら虫よけも欲しい。夏の肌は、こちらが頼んでもいないのに朝から大忙しです。

しかも困るのは、どれも使った直後に「効いた気」がしやすいこと。脂を取ればサラサラ、シートならひんやり、虫よけには独特の使用感があり、日焼け止めにも塗った安心感があります。ところが、気持ち良さと肌を守る働きは同じではありません。サッパリしたくて拭いたものが、その少し前に作った紫外線対策まで乱してしまえば、「私、何のためにこんなに頑張った?」と自分ツッコミしたくなります。

さらに気温、湿度、汗の量、日差し、外にいる時間、虫の多い場所かどうかまで加われば、毎回同じ道具を同じ順番で使えば良いとも限りません。試行錯誤しながら全部を塗り重ねるより、その時の肌をまず心地良く整え、この後、何から守りたいのかを考える方がずっと分かりやすくなります。

夏の肌支度は「何を使うか」だけではなく、「今は整える時間か?、守る時間か?」で考えると迷いにくくなります。朝から右往左往しても大丈夫。汗も脂も紫外線も虫も相手にした1日の最後には、お風呂で全部サッパリ落として勤務終了。そんな夏らしい1日の肌との付き合い方を、少し楽しく考えてみましょう。

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第1章…アブラギッシュだと焼けやすい?~皮脂と紫外線の意外な関係~

真夏に鏡を見ると、額や鼻がテカテカってツヤツヤ。「こんなに脂が浮いていたら、太陽で余計に焼けるんじゃない?」と半信半疑になることがあります。料理ならフライパンへ油を入れて熱すれば温度は上がり、食材を入れればジュワッと揚がる。そこから連想すると、顔の上でも小さな揚げ物大会が始まりそうですが、安心してください。人間の顔はフライパンではありません。

肌の皮脂は、皮脂腺から分泌される油分で、肌表面の水分が逃げにくいよう助けたり、乾燥や外からの刺激から守ったりする役目を持っています。見た目には「アブラギッシュで困ったやつ」でも、本来は追放すべき敵ではありません。夏は汗も加わるため触った時のベタつきが増し、気温や体調などによって皮脂の出方も変わりますが、顔の皮脂そのものが太陽熱で高温の油になり、肌を揚げ焼きにしているわけではないのです。

では皮脂と日焼けは無関係なのかというと、話はそこで終わりません。注目したいのは熱ではなく紫外線です。紫外線を浴びると、皮脂に含まれる脂質が酸化することがあります。皮脂酸化(皮脂の成分が酸化によって変化すること)が進めば、本来は肌を守る側だった皮脂が、肌への負担に繋がる可能性もあります。さらに紫外線の種類によっては皮脂腺の働きに影響することも知られており、夏のテカリと紫外線は完全な赤の他人とも言い切れません。

「脂があるから太陽でこんがり焼ける」のではなく、「紫外線を浴びた皮脂にも変化が起こる」と考える方が実際の肌に近いのです。この違いを知っておけば、「油っぽいから全部取ってしまえ!」という猪突猛進にもなりにくくなります。皮脂はゼロにすれば良いものではなく、必要な分まで根こそぎ取り去ろうとすれば、今度は乾燥や刺激が気になることもあります。

日焼けのしやすさには、浴びた紫外線の量や時間、肌質など様々な条件が関わります。テカっている顔を見て「今日は油多めだから二度揚げになるぞ!」と恐れる必要はありません。気にしたいのは、脂の見た目よりも、その肌がどれくらい紫外線にさらされるのかという方です。夏の皮脂とは一触即発で戦うより、必要な働きは残しながら上手につき合う。そのくらいの距離感が、暑い季節にはちょうど良さそうです。


第2章…脂取り紙とスキンケアシートは味方?~「さっぱり」の落とし穴~

昼休みに鏡を覗くと、おでこはテカッ、鼻もツヤッ。「朝はこんな顔じゃなかったはずなんだけどなぁ…」と思いながら脂取り紙を1枚。そっと押さえて紙を見れば、ちゃんと取れている。さらに汗まで気になれば、顔にも使えるスキンケアシートでひと拭き。ひんやり、サラサラ、香りもフワリ。この即効性はなかなか魅力的で、夏の小さな不快感を追い払う道具としては頼もしい存在です。

ただ、この2つは肌を「守る道具」ではなく、その時の不快感を「整える道具」と考えておきたいところです。脂取り紙は肌表面へ出てきた皮脂を吸い取り、スキンケアシートは汗や皮脂などを拭き取って、触り心地や爽快感を取り戻してくれます。気持ち良くなった瞬間、「これで夏対策は一石二鳥だ」と思いたくなりますが、紫外線防御まで新しく作ってくれるわけではありません。

むしろ注意したいのは、既に日焼け止めを塗っている時です。人を対象にした小規模な研究では、有機系日焼け止め(紫外線吸収剤を使うタイプ)の上から脂取り紙を使うと、測定されたSPF(主にUVBによる日焼けを防ぐ程度を示す値)が低下しました。拭き方の強弱もありますし、全ての日焼け止めで同じ結果になるとは限りませんが、「脂だけを都合よく取って、日焼け止めは完全にその場へ残る」と考えるのは少々危なそうです。

スキンケアシートなら、さらに「拭く」という動きが加わります。汗を拭いた後やタオルで肌を拭いた後には、日焼け止めを塗り直すことが勧められています。 折角、爽快感を手に入れたのに、紫外線への備えまで一緒に退勤させてしまっては困ります。「よし、全部サッパリ!」の直後に日焼け止めまで「私も失礼します」と帰っていたら、そこは引き留めたいところです。

だからといって、脂取り紙やスキンケアシートを封印する必要はありません。日焼け止めを塗る前なら、汗や余分な皮脂を心地良く整えてから紫外線対策へ進めば良い。外出中にどうしてもベタつきや汗が気になれば、必要に応じて使い、その後の防御も見直せば良いのです。天候や汗の量、外にいる時間によって臨機応変で構いません。

「サッパリした」は肌の快適さのサインであって、「紫外線への備えも完了した」という合図ではありません。この2つを分けて考えられるようになると、夏の肌支度はグッと迷いにくくなります。脂取り紙もシートも気持ち良く過ごすための立派な味方。働いてもらう順番だけ、少し気にしてあげれば良いのです。

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第3章…外出前は順番勝負!~日焼け止めから虫よけまで夏肌の装備術~

真夏のお出掛け前、洗面台の前にはなかなかの顔触れが揃います。脂取り紙、スキンケアシート、日焼け止め、それに虫よけ。「暑いんだから全部やっとけば良いでしょ」と、拭きまくって塗ったくりたくなるところですが、ここは順序整然といきたい場面です。大切なのは道具の数ではなく、今の肌を整えるものと、この先の環境から守るものを分けること。夏支度は足し算大会ではありません。

汗をたっぷりかいているなら、まず肌に使えるシートなどで不快感を整えます。皮脂のテカリだけが気になるなら、脂取り紙で軽く押さえるくらいでも十分でしょう。この段階は、外敵から守るというより「出発できる肌へ戻す時間」です。折角、日焼け止めを塗った直後に汗を拭き取り、「よし、準備完了!」と満足していたら、働き者の防御まで一緒に拭いてしまいかねません。順番を少し意識するだけで、右往左往せずに済みます。

肌が落ち着いたら、次は日焼け止めの出番です。顔や首、腕など、衣服で隠れない部分を紫外線から守ります。帽子や日傘、衣服、日陰も頼れる仲間ですが、どうしても露出する肌には日焼け止めが心強い存在になります。そして公園や庭、草の多い場所などで虫対策も必要なら、虫よけを重ねます。米国疾病予防管理センターの案内でも、両方を使う時は日焼け止めを先に、その後で虫よけを使う順序が示されています。

虫よけシートは名前に「シート」と付いているため、汗拭きシートと同じ仲間に見えますが、役目はかなり違います。汗や皮脂をサッパリ取り去るためではなく、虫を遠ざける有効成分を肌へ付けるものです。製品ごとに使える部位や年齢、使用方法などが違うので、商品表示に従って必要な場所へ使うのが基本になります。虫よけまで勢いよく全身をゴシゴシして、「いやあ、爽快爽快!」となると、少し目的地を見失っています。

さらに面白いのは、日焼け止めと虫よけでは「もう一度使うタイミング」まで同じとは限らないことです。CDCも、日焼け止めと虫よけは別々の製品として扱い、虫よけについては製品表示に従って再使用するよう案内しています。夏の装備は全部まとめて一蓮托生ではなく、それぞれ担当部署が違うわけです。お昼になったから全員集合で塗り直し、とは限りません。

夏の外出前は「肌を快適に整えるものを先、防御するものを後」、そして両方必要なら「日焼け止めから虫よけへ」と覚えておくと迷いにくくなります。気温や湿度、外にいる時間、日差し、虫の多さによって使う道具は変わっても、この考え方なら臨機応変に組み替えられます。今日はコンビニまで数分なのか、炎天下を歩くのか、夕方の庭仕事なのか。肌に聞くより先に、空と行き先を見れば、持っていく選手も自然と決まってきそうです。


第4章…外回りの夏は肌も勤務中~汗だくの途中で防御をどう立て直す?~

夏の外回りは、朝で綺麗に身支度を終えた時点ではまだ序章です。居宅介護支援のケアマネなら、事務所を出て車へ乗り、利用者宅へ歩き、玄関先で汗を落ち着かせ、面談を終えれば再び炎天下へ。次の訪問までに電話が入り、記録を確認し、水分も摂りたい。そんな東奔西走の1日に、「そろそろ日焼け止めを塗り直そうかな?」と優雅に鏡へ向かえる時間が毎回あるとは限りません。

しかも夏の肌は仕事の都合を待ってくれません。駐車場まで歩いただけで額に汗が滲み、ハンカチで押さえれば少しサッパリ。車へ戻って鏡を見ると鼻はテカり始め、「さっき整えたばかりなんですけど?」と小さくツッコミたくなります。女性なら化粧との兼ね合いもありますし、男性でも汗やベタつきが不快なのは同じです。脂取り紙やスキンケアシートを使いたくなる場面は、朝よりむしろ外出してから増えていきます。

そんな時に覚えておきたいのは、朝の完璧な状態へ毎回戻そうとしなくても良いということです。少しテカった程度なら脂取り紙で軽く整える。汗をかなりかいたなら、肌に使えるシートやハンカチなどで不快感を減らす。その上で、日差しの中へ再び出るなら日焼け止めの状態にも目を向けます。汗を拭いたり肌を擦ったりした後は、防御もそのままとは限りません。肌をサッパリさせたら、必要な場所の守りも立て直す。この流れなら臨機応変に動けます。

日焼け止めの塗り直しは「仕事をさぼって身嗜みを整える時間」ではなく、夏の外回りを続けるための小さな健康管理でもあります。訪問の合間に水を飲むのと同じように、ほんの少し肌を整える時間も1日の中へ含まれている、と考えると気持ちは楽になります。もちろん利用者宅の玄関で突然クリームを塗り始めるわけにはいきませんから、車内へ戻った時やトイレ休憩など、自分の動線に合わせて短時間で済ませれば十分です。

夕方になれば状況も少し変わります。真昼ほどの日差しが気にならなくても、庭先や草木の多い場所へ訪問するなら今度は虫が気になるかもしれません。日中は日焼け止めが主役だったのに、夕方には虫よけも出番を待っている。朝から同じ装備で押し切ろうとするより、時間帯や行き先に合わせて担当選手を交代させる方が合理的です。夏の肌支度には、固定された正解より「今からどこへ行くのか?」という判断がよく似合います。

外回りの仕事は、利用者さんやお客さんの前では涼しい顔をしていても、移動中はかなり暑いものです。汗をかき、拭き、また外へ出る。その繰り返しの中で肌まで完璧に保とうとすれば、それだけで疲れてしまいます。快適さを取り戻す道具と、これから守る道具を使い分けながら、無理のない範囲で防御を繋ぐ。それくらいで十分、夏の1日はちゃんと回っていきます。

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まとめ…夜はお風呂で勤務終了~守った肌をやさしく休ませよう~

朝から皮脂を気にし、汗を拭き、日焼け止めを塗り、必要なら虫よけまで追加。昼にはまた汗をかき、鏡の中ではテカリが復活し、「朝の努力はいったいどこへ?」と苦笑い。夏の肌は一日中、なかなかの働き者です。でも、何でも片っ端から使えば良いわけではなく、快適に整える道具と、外から守る道具を分けて考えるだけで、随分と扱いやすくなります。

脂取り紙やスキンケアシートは、汗やベタつきが気になる時の助っ人。日焼け止めは紫外線への備え、虫よけは必要な場所で虫から肌を守る担当です。天気も気温も湿度も、出掛ける場所も毎日違いますから、夏の肌支度に完全固定の一式はありません。臨機応変で良い。ただ、肌を拭いたり整えたりした後に外へ向かうなら、防御まで置き去りにしない。この感覚さえ持っていれば、道具が増えても迷子にはなりにくいでしょう。

そして帰宅した夜には、もう紫外線とも蚊とも戦わなくて大丈夫です。昼間に役目を果たしてくれた日焼け止めや虫よけ、そこへ汗や皮脂も加わった肌を、お風呂やシャワーでやさしく洗ってサッパリさせます。強くこすって昼間の疲れまで削り取ろうとせず、汗や汚れを落として、必要なら入浴後の保湿で肌を労わる。ここまで来れば一件落着、肌にもようやく退勤時間です。

夏の肌は、朝に整え、昼に守り、夜になったら綺麗に落として休ませる。この1日の流れが分かれば、道具の多さに振り回されなくなります。「終わり良ければすべてヨシ」と言いますが、夏の肌にもよく似合います。朝からアブラギッシュだった日も、外回りで汗だくになった日も、最後は湯気の向こうで、こすらずに心機一転、ついでに筋肉もリラックス。「今日もよく働いたな」と自分の肌まで労われたら、暑い1日も少し気持ち良く閉じられそうです。

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