9月下旬は遊びの衣替えどき~家の中と外を行き来して秋のご機嫌を育てよう~
はじめに…秋の気配は「何かしたい」を連れてくる
9月下旬になると、昼間には夏の名残があるのに、朝夕の風は少しだけ涼しくなります。窓を開けた瞬間に「どこかへ出かけたい」と思ったり、長くなった夜に好きなことを始めたくなったり。季節の変化が、心機一転のキッカケを運んでくれる頃です。
ただし、過ごしやすくなったからと予定を詰め込むと、体はこっそり夏の疲れを抱えたまま。「秋を満喫するぞ」と気合いを入れた日に限って、ソファが離してくれません。いや、ソファに意思はないのですが、あの座り心地には毎回負けそうになります。
9月下旬の楽しみは、頑張って探すものではなく、家の中と外に少しずつ用意しておくものです。
晴れた日は外の空気を味わい、雨の日は家の中で好きな時間を育てる。臨機応変に遊び方を替えれば、秋の始まりはもっと軽やかになります。
[広告]第1章…頑張れる季節ほど休み上手になろう
9月下旬は、仕事にも家事にも取り組みやすくなる頃です。真夏のように立っているだけで汗が流れる日が減り、「今日は随分と動けるな」と感じることもあるでしょう。
ところが、体の内側まで秋仕様になったとは限りません。夏の暑さを乗り越えた疲れが残る中、朝夕の涼しさや昼夜の寒暖差にも対応しています。気候が穏やかになった途端に全力投球すると、週末には電池残量が赤色……人間にも充電表示があれば便利なのですが、残念ながら額には出ません。
学校や仕事が本格的に動き出し、お彼岸や地域行事なども重なる時期です。予定をこなすことばかりに気持ちが向くと、好きな音楽を聴く時間や、温かい飲み物をゆっくり味わう時間が後回しになりがちです。
休むことは頑張らない時間ではなく、次の楽しみを受け取れる自分に戻る時間です。
夜に映画を1本観る、寝る前に軽く体を伸ばす、香りの良い入浴剤で湯船に浸かる。大きな計画でなくても構いません。疲れている日は「散歩に行く」から「玄関先で秋の風を吸う」へ変更するくらいの緩急自在が、季節との上手な付き合い方になります。
遊びや休息を予定表の余白に任せていると、その余白には不思議と別の用事が入り込みます。先に15分だけでも好きな時間を置いておけば、忙しい一日の中にも小さな楽しみが残ります。頑張れる季節だからこそ、休む時間まで予定に入れる。そのひと工夫が、秋を最後までご機嫌に味わう土台になります。
第2章…家の中に小さな遊び場を育てよう
外へ出る予定がない日は、何となく「今日は何もしなかった」と感じることがあります。けれど、家の中にはまだ名前の付いていない楽しみが、あちらこちらに隠れています。
読みかけの本を開く場所を整える。好きな飲み物に合うカップを選ぶ。棚の一角に季節の花や絵を飾る。台所で秋らしいおやつを作る。暮らしの空間に少し手を加えるだけでも、いつもの1日が心機一転します。
大切なのは、家全体を立派に変えようとしないことです。「今日は机の右半分だけ」と範囲を決めれば、片付けが大掃除へ成長するのを防げます。遊び場を作るつもりが、いつの間にか収納用品の寸法を測り始めたら要注意。楽しむ前に工務店の顔になっています。
家での遊びは、何をするかだけでなく、気持ちよく夢中になれる場所を用意するところから始まります。
映画を1本観るなら、飲み物と座る場所を先に整える。工作をするなら、一区切りで完成する小さな目標を決める。料理を楽しむなら、作った後にゆっくり味わう時間まで残しておく。準備から片付けまで完璧にしようとせず、適材適所で必要な物だけを手元に集めると、始めるまでの面倒が軽くなります。
「好きなことを好きなだけ」では、終わった後に家事や用事が気になり、満足感が薄れる場合もあります。30分だけ集中する、1つ完成したら終える、夜九時までに片付ける。遊びにも小さな区切りがあると、達成感を持ったまま日常へ戻れます。
家の中は、雨の日の代用品ではありません。音や香り、手触りまで自分好みに整えられる、自由度の高い遊び場です。今日は一角だけでも、自分が自然と足を止めたくなる場所に育ててみましょう。
[広告]第3章…遠出をしなくても外の秋は見つけられる
家の扉を開けると、夏には重たく感じた空気が少し軽くなっています。日差しにはまだ勢いがあっても、日陰を通る風や虫の声には、秋の気配が混じり始める頃です。
外遊びというと、遠くの観光地や大きな行事を思い浮かべがちですが、近所を歩くだけでも立派な季節探しになります。公園の木の実を眺める、川沿いで風を感じる、少し離れた店まで買い物に出る。いつもの道も歩く時間を変えれば、別の景色に見えてきます。
「運動のために一万歩」と気合いを入れる必要はありません。張り切って遠くまで進み、帰り道で無言になるのは散歩あるあるです。行きは冒険、帰りは修行。秋風まで急に厳しく感じます。
外で楽しむ日は、距離よりも「気持ちよく帰れる余力」を残すことが大切です。
お茶や小さなおやつを持って近くの公園へ行けば、短い時間でもピクニック気分を味わえます。夕方なら空の色を眺め、夜には月や星を見上げるのも良いでしょう。家族で出かける日は、1人ずつ食べやすい物を用意すると、準備も片付けも簡単です。
天気や体調に合わせて予定を変える融通無碍も、秋を長く楽しむ知恵になります。風が冷たければ早めに帰り、雨が降りそうなら屋根のある場所へ。予定通りに進めることより、「今日はこれで十分」と笑って終えられる方が、次のお出かけに繋がります。
思い立ったが吉日。とはいえ、夜の月見を思い立った瞬間に薄着で飛び出すと、吉日より先にくしゃみが来ます。羽織る物と飲み物を準備して、近くにある小さな秋へ会いに行きましょう。
第4章…晴れの日と雨の日を二本立てで楽しもう
9月下旬の空は、なかなか気まぐれです。朝は晴れていたのに昼から雨が降ったり、涼しいと思って出かけたら日差しが夏のようだったりします。天気に予定を預け切ると、「楽しみにしていたのに中止」で一日まで曇り空になりかねません。
そこで、遊びの予定は晴天用と雨天用の二本立てにしておきます。晴れたら公園まで散歩して秋の草花を眺める。雨なら窓辺で音楽を聴きながら、写真の整理や小さな工作を楽しむ。どちらになっても遊べる形なら、天気予報を見る顔にも少し余裕が生まれます。
予定を変えることは失敗ではなく、その日の秋に合わせて遊び方を選び直すことです。
外へ出る日は、羽織る物や飲み物、帰宅する時間を先に決めておくと安心です。家で過ごす日は、温かい飲み物や好きなおやつを用意し、短時間でも集中できる場所を整えます。用意周到と聞くと大仕事のようですが、必要なのは上着一枚と楽しみ1つくらい。旅行カバン並みに詰め始めたら、近所の散歩ではなく遠征の装備です。
秋本番の10月や11月に楽しみたいことも、9月下旬から1つだけ準備してみましょう。衣服を確認する、行きたい場所を家族と話す、使いたい道具を出しておく。あれもこれもと欲張らず、一日一善ならぬ「一日一準備」くらいがちょうど良い歩幅です。
晴れを待ち続けるより、雨の日にも楽しめる逃げ道を作っておく。臨機応変に予定を替えられれば、秋は天気に振り回される季節ではなく、選べる遊びが増える季節になります。
[広告]まとめ…遊ぶ予定を1つ置けば秋はもっと長くなる
9月下旬は、夏の疲れを休ませながら、秋の楽しみを少しずつ迎え入れる時期です。家で好きなことに没頭する日があっても良く、近所の風景をのんびり歩く日があっても良いでしょう。心地良い過ごし方は十人十色です。
大切なのは、立派な予定を作ることではありません。「晴れたら散歩、雨なら映画」「元気なら少し遠くへ、疲れていたら温かい飲み物を1杯」。そのくらいの軽やかさがあれば、予定が変わっても1日を楽しめます。
張り切って遊びの予定を何個も書き込み、予定表を見ただけで疲れるのは少々もったいないところ。秋を満喫するはずが、秋に追いかけられては本末転倒です。最初は、今週やってみたいことを1つ決めるだけで十分でしょう。
楽しみは、時間が空いた時に始まるのではなく、暮らしの中に小さな席を用意した時から始まります。
今年の風、今年の月、今年の夕暮れは一期一会です。家の中にも外にも、自分を少しご機嫌にする遊びを置いておけば、秋は思っていたよりゆっくり、やさしく進んでいきます。
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