ベッドと車いすの移乗介助は声掛けと距離感で決まる~介護の現場と試験で失敗しないために~
目次
はじめに…動かす前に考えるのが介護です
介護の仕事で一番ドキッとする場面って、相手の体を動かす時だと思います。ベッドで横になっている人を起こす時。ベッドから車椅子に移ってもらう時。車椅子からベッドに戻ってもらう時。どれも毎日のようにある当たり前の場面なのに、ちょっとした油断で大きなケガや体調悪化につながる場面でもあります。だからこそ、ゆっくり確かめながら行うことと、やさしく声をかけ続けることがとても大事になります。
しかもこれは現場だけの話ではなくて、介護福祉士の国家試験の実技でも問われるところです。実技試験は、試験官とモデルさんと受験者さんの合計3名というシンプルな人数の、小さなステージみたいな状況で進みます。モデルさんは本物の人ですから、何度も何度もムリな姿勢に捻じられるわけにはいきません。ですから、特別な道具をたくさん使う派手なテクニックよりも、声掛けの仕方、体の支え方、体同士の距離の取り方など、基本の「気遣い」がきちんと出来ているかがとてもよく見られます。
この「気遣い」は、綺麗なマナーの話だけではありません。例えば、急に起こすと血圧がガクッと変わってクラッとする人がいます。膝を捻じる角度次第で、骨にヒビが入ってしまう人もいます。腰を遠い位置で支えようとして、介助する側の腰がギクッといくこともあります。つまり介護というのは「良い人間関係を作るお仕事」であると同時に、「物理と医学の世界」なのです。テコの原理や重心の位置、心臓や血管への負担、皮膚への圧迫。そういうものを全部まとめて優しく調整する役目が、介助する人に圧し掛かってきます。
この記事は、ベッドと車椅子の移乗をテーマにしています。ベッドで横になっている状態から上体を起こして座ってもらうまでの流れ。ベッドから車椅子へ移ってもらう時の注意点。車椅子からベッドに戻す時にありがちな落とし穴。そして最後に、実技試験でそこをどう見られるのかという視点まで、一気に辿っていきます。どの場面にも共通して流れているキーワードは、「声を掛けて意志を確かめること」と「お臍とお臍を近付けること」、この2つです。これだけ聞くと少しふざけて聞こえるかもしれませんが、本気の話です。相手の気持ちと身体の安定、この両方を守る最短ルートがそこにあるからです。
まず「声を掛けること」についてお話しします。これは単に「今から起こしますよ~」とアナウンスするだけではありません。目線を合わせて安心を伝えること。痛みはないか、気分は悪くないか、いま動いても大丈夫か、本人の返事をちゃんと待つこと。「いいですか?」と聞いて「はい」と返ってきたら、「ではゆっくり右に向きますね」というように、一歩ずつ合図をしながら進めること。これがないと、相手の方は「何をされるのか分からない恐怖」と戦うことになります。恐怖は筋肉を強張らせます。強張った筋肉は、ちょっとした動きでも負担が大きくなります。つまり、声を掛けることは、そのまま安全確認であり、怪我予防であり、信頼作りでもあるわけです。
次に「お臍とお臍を近づけること」についてです。これは立ち上がりや、立位の保持をサポートする時の基本の形です。介助者が体を遠くから伸ばして支えようとすると、テコの支点が腰になってしまい、介助者は自分の腰に大きな負荷をかけてしまいます。そして利用者さん側も、支えが遠いぶんグラグラして不安になります。ところが、お臍同士が近い位置にあると、二人の体は一体のように動けます。重さは近いところで受け止められるので、介助する人の腰も守れるし、介助される人も「ちゃんと抱えられている」という安心を感じます。この安心感は、ふらつきや転倒を防ぐ力にもなります。つまり、優しさと物理の両方を一遍に満たす合図が「お臍は近く」なのです。
ここで大切なのは、介護のサポートは「動作そのもの」が目的ではない、という考え方です。例えばベッドから車椅子に座ってもらうことは、ゴールではなくスタートです。ベッドから起こした後に顔色がどうか、息切れはないか、気持ちが落ち着いているか。そこまで見て、やっとワンセットです。介助者側が「はい移動できました。お終い」と思った瞬間に、相手の体はしんどさのピークに入っていることもあります。特に、長く寝ていた方ほどそうなります。だから介護の本質は、腕力やスピードではなくて、観察と予告と調整にあるのだと、まず心に置いておきたいのです。
この考え方は、現場にも試験にも同じように当てはまります。現場では安全と安楽を守ることが最優先ですし、試験では「この人なら現場に出しても大崩れしないな」と思ってもらえることが合格ラインになります。だから綺麗な所作だけでは足りません。逆に派手な動きもいりません。ゆっくり声をかけて状況を読み取り、体を近づけ、無理なく次の姿勢へつないでいく。その一連の流れを、誰が見ても安心できる形で示せるかどうかが問われます。
これから先の章では、第1章で「ベッドで起こす前に何を確認するのか」、第2章で「ベッドから車椅子へ移ってもらう時にどう並ぶのが安全なのか」、第3章で「車椅子からベッドへ戻す時になぜ気を抜いてはいけないのか」、第4章で「実技試験ではそこをどうチェックされるのか」という順番で、具体的にお話しします。読む時は、もしあなたの目の前にご利用者様がいらっしゃるなら、その方のお顔と呼吸の速さと膝のやわらかさを思い浮かべながら読んでみてください。そしてもしあなたがこれから国家試験に向かう方なら、試験官とモデルさんとあなたの3名の静かな空間を想像してください。介護の技術は難しい専門職のスキルであると同時に、「今目の前のあなたを安心させたい」というとても個人的で、人としての温かさそのものでもあるのだと、最初にお伝えしておきますね。
[広告]第1章…ベッドで起こす前にやるべきこと~声掛け・意思確認・体の負担チェック~
ベッドで横になっている人を起こす時、いきなり体を動かすところから始めてしまうと危険です。まず最初にするべきことは、声を掛けて安心してもらうこと、今から何をするのかを伝えること、そして本当に起きても大丈夫な状態かどうかを確かめることです。介護の場面では、この準備の時間そのものが安全対策であり、相手の心の落ち着きを守るためのケアになります。ここを丁寧にできる人は、介護福祉士の実技試験でも現場でも信頼されます。
ステップ1~まずは声をかけて目線を合わせて安心を作る~
最初のステップは「今から起こしますね」と一方的に言うことではありません。目線を合わせることから始めます。ベッドの横に立つ、もしくは少し腰を落として顔の高さを揃えるようにして、落ち着いた声で名前を呼び、「おはようございます」「今の体調はどうですか」など、ゆっくり会話を始めます。ここで大切なのは、あなたが相手のペースに合わせるという姿勢を見せることです。いきなり体を触られるのは、どんな人でも不安になります。不安はそのまま筋肉の強張りになります。筋肉が強張ると、小さな動きでも痛みが強くなったり、動きづらくなったりします。つまり、優しく声をかけることは、心の安心を作るだけではなく、実際に体を安全に動かしやすい状態を整えるための準備でもあるのです。
もう1つ忘れてはいけないのが、「聞く」という行為です。「痛いところはありませんか」「眩暈はないですか」「いま起きても良さそうですか」などと問いかけて、本人の返事を待ちます。この返事を待つ時間は、とても重要です。介助者が勝手に判断して次へ進んでしまうと、相手の人は「まだ無理なのに動かされる」という恐怖を抱えたまま起こされることになります。恐怖を抱えたまま動かされると、余計に体を固めてしまい、結果的に負担が増えてしまいます。ですから、声をかけるのは合図であり、返事を待つのは同意を得ることでもあり、双方の安全の第一歩と言えます。
ステップ2~「起きましょうか」の前に本人の意思と準備を確認する~
2つ目のステップは、本人が「起きたい」「起きてみよう」と思えているかを確かめることです。これは「はい、では体を起こしますよ~」と誘導して動かすのではなく、「そろそろ上半身を少し起こしてみましょうか。どうですか?」と、行き先を予告する形で問いかけるイメージです。人は、自分で理解できない変化には強いストレスを感じますが、予告された変化には心の準備ができます。心の準備があると、体も自然と少し力を入れたり、逆に力を緩めたりと、協力的に動いてくれます。特に、片麻痺や筋力の低下がある方は、体の一部が自由に動かしづらい分、残っている力の入れどころを自分で考えながら動こうとします。この「本人の考える時間」をちゃんと用意してあげることが、とても大切なのです。
ここで、相手の顔色や呼吸の速さも観察します。顔が急に赤くなっていないか、逆に真っ白になっていないか、肩で息をしていないか、表情が「辛い顔」になっていないか。体を起こす前の時点で、既に強い疲労や息切れが出ている場合は、無理に進めてはいけません。むしろ「今は横になったままで休みましょう」「少し水分を摂りましょう」など、動かさないという判断こそが介助になることもあります。介護は「とにかく起こす」ことがゴールではありません。「安全に起きられる条件が揃っているかどうかを見極める」ことが、介護そのものなのです。
ステップ3~ベッド上の姿勢が一番楽という事実を忘れずにゆっくり時間を使う~
3つ目のステップは、体を起こすスピードと、起こし方そのものです。実は、体にとって一番負担が少ないのは、ベッドで横になっている姿勢です。上半身を起こして座る姿勢は、心臓にも筋肉にも首や腰にも重みがかかります。つまり、寝ている状態からいきなり上体をグイッと起こしてしまうと、心臓に急な負荷がかかり、眩暈や吐き気、冷や汗などが出ることがあります。特に長く臥床している方、高齢の方、心臓や血圧に不安がある方ではそのリスクが高くなります。
だからこそ、体を起こす時は「ゆっくり段階を踏む」という考え方が必要です。例えば、まずは軽く頭側を少しだけ高くするところから始め、そこで体調を聞きます。「気持ち悪くないですか」「苦しくないですか」と確認しながら、少しずつ角度を変えていきます。福祉用具として高さが調整できる特殊寝台を使っている環境であれば、ギャッジアップ機能をこまめに使い、いきなり大きく起こすのではなく、少し上げては止まり、本人の反応を見て、また少し上げていくという丁寧な進め方が理想です。
この時に忘れがちなのが、背中とベッドの間にかかる圧力です。背もたれを上げるだけだと、体がずり落ちようとする力と、マットレスから押し上げられる力がぶつかり、背中やお尻の一点に強い圧力が集中します。そのままの姿勢で長く座らせてしまうと、痛みや痺れだけでなく、皮膚トラブルのきっかけになることもあります。そこで、途中でそっと背中を支え、身体をわずかに浮かせて、背中とマットの皺を整える動き、いわゆる背抜きのケアを入れてあげると、とても楽になります。これは介助者の手の感覚で覚えるところなので、職場の研修などで一度体験しておくと、自分の指先で「どこに圧が溜まっているのか」が分かるようになってきます。
最後に、座位のまま保つ時間も気をつけたいポイントです。元気な人なら、ベッドの縁に腰かけて少し待ってから立ち上がってもらうという流れでも問題はありません。でも、重い麻痺がある方や、長く寝たきりだった方は、座る姿勢そのものが辛いことがあります。「やっと座れました。ではこのまま待っててくださいね」と放置してしまうと、その待っている時間がすでに苦痛になっていることがあります。息が上がっていないか、肩が震えていないか、手すりを掴む手に力みすぎていないかを見ながら、必要ならすぐ次の体勢(立位なのか、車椅子への移乗なのか、あるいは一端また少し傾けて休むのか)へ進めてあげるべきなのです。
まとめると、第1章で一番伝えたいことは、「起こすこと」より「起こす前」が大仕事だということです。声をかけて安心を作り、本人の気持ちと体調を確認し、ゆっくり段階を踏んで座位へ近付ける。この流れを丁寧に守ることで、相手の体も心も守れますし、介助する側の腰や腕も守れます。安全な移乗介助は、この時点でもう半分以上、始まっているのです。
第2章…ベッドから車いすへの安全な立ち上がりと移乗~角度・高さ・おへその距離~
ベッドから車椅子へ移ってもらう場面は、介護の中でもとても目立つ仕事です。そして同時に、事故につながりやすい場面でもあります。ほんの少しの無理やたった一瞬の早過ぎる動きが、転倒や捻挫や骨折の切っ掛けになることがあります。ここでは、ベッドから車椅子に移る時に、どこをどう気をつければ、利用者さんと介助する側の両方が安心して次の姿勢へ進めるのかを、順番にお話ししていきます。
ベッドと車椅子の並べ方は「距離」と「角度」でほぼ決まります
移乗の基本は、体をどれだけ少ない移動距離で目的地に運べるかという考え方です。つまり、ベッドと車椅子はなるべく近くに置くのが基本になります。ベッドから立ち上がった後に大きく歩かなくても、少し体の向きを変えるだけで腰を下ろせる位置に車いすを用意しておくことが理想です。車椅子とベッドをほぼ並行に近い角度でつける方法もあれば、ほぼ直角に近い角度で合わせる方法もありますが、大切なのは「その人が動きやすい最短ルートを作る」という発想です。
体の状態によっても違います。上半身の力がしっかり残っている方であれば、車椅子の肘置きが上がるタイプでサイドからスライドするように座れる形が向くこともあります。一方で、肘置きが固定されていて横から入りにくいタイプの車いすの場合は、ベッドの端から立ち上がって少しだけ向きを変え、いわゆる「90度に振り向くようにして座る」形のほうが落ち着くこともあります。1つの正解で押しつけるのではなく、今その人の足の力や体幹の安定感を見た上で、最もムリのない角度を選ぶことが大切です。
高さの調整も忘れられがちですが、とても重要です。基本的に、ベッドから車椅子へ移る時は、ベッド側の方を少し高め、車いすの座面をやや低めにしておくと、重さの流れがスムーズになります。高いところから低いところへ腰を下ろす動きは、持ち上げる動きよりもずっと優しいからです。逆に、同じ高さか、あるいは車椅子の方が高いような状態だと、利用者さん自身も「持ち上げられて運ばれる感覚」になってしまい不安が出ますし、介助する人の腰にも大きな負担がかかります。高さが合っていないと感じたら、一端整えてから動作に入る。このひと呼吸が、安心と安全のカギになります。
立ち上がりの瞬間は「お臍とお臍を近づける」が合図です
介助する人が一番気をつけたいのは、立ち上がりの瞬間です。ここで大切なのは、利用者さんと介助者さんの体を離さないことです。遠くから腕だけ伸ばして支えようとすると、利用者さんはグラグラして不安を感じ、つい相手の服や首もとにしがみつこうとします。介助者の方は上半身だけで荷重を支える形になり、腰を痛めやすくなります。これは両方にとって良くありません。
そこで覚えておきたいのが「お臍とお臍を近くに」という考え方です。体を近づけて、胸よりもお臍辺りの高さで相手の重さを受けとめると、二人は1つの塊のように動けます。これはただの精神的な安心ではなく、物理の安定です。重心が分散し、二人の足元が揃って動くため、大きくグラつかず立ち上がることができます。「しっかり抱えられている」という安心は、利用者さんの力を引き出す役目も果たします。安心していれば、相手も「足に力を入れてみよう」と自分で協力しやすいからです。
この時にもう1つ意識したいのが、声掛けです。「今から立ち上がりますよ、一緒にゆっくり前に体重をかけますね」というように、次に起きることをその都度、予告します。合図なしにグイッと起こすのではなく、「せーの」にあたるタイミングを言葉で揃えることで、二人の動きが同時になります。これは試験の場面でも非常に評価されやすい部分であり、日常介助では安心感と安全性を同時に高めてくれる、とても大事な振舞いです。
膝を捻じらないことは命より大袈裟ではありません
車椅子へ座ってもらうまでの間に、利用者さんの足、特に膝関節には大きな注意が必要です。ふらつきやすい方の場合、「よいしょ」と向きを変える時に、足の裏が床に固定されたまま、上半身だけを介助者が回そうとしてしまうことがあります。この状態は、膝に捻じる力が加わりやすく、とても危険です。場合によっては、膝の靭帯を傷めたり、骨にヒビが入ったりすることさえあります。特に、普段歩いていない方、普段足に体重をしっかり乗せていない方、高齢の方、骨が脆くなっている方では、そのリスクは一気に高まります。
これは、介助者の身長差とも関係します。介助者の身長が高い場合や力が強い場合、「支えられるから大丈夫」と思って一気に回してしまいやすいのですが、実は相手の足元は全然ついてきていないことがあります。膝が床に固定されたまま、上半身だけが回されると、一番弱いところにだけ捻りの力が集中します。これを避けるためには、二人の足の位置を揃え、一緒に小さくステップするように向きを変えることが大切です。「右足をちょっと前に出してみましょうね」「ゆっくり左に向きますよ」という声掛けで、体全体を一緒に動かすイメージにすると、安全性が高まります。
ここで大切なのは、急がないこと、そして「立てました、はい座りましょう」で終わらせないことです。上体を支えることに意識が集中すると、足元はつい置き去りになります。ですが、実際に深刻な怪我に繋がるのは足元側の方です。特に膝の捻じれは一瞬で起きて、取り返しがつかないこともあるので、向きを変える時ほどゆっくり声をかけ、足の向きと床との関係に目を配ることを忘れないようにしたいところです。
1人で支えるか2人で支えるかは「頑張れるかどうか」では決めない
介護の現場では、時間や人員の都合で、どうしても1人での介助が基本になってしまうことがあります。ただ、1人介助で持ちこたえられる状況なのか、最初から2人で入るべき状況なのかを見極めることも、実は介護技術の一部です。これは「自分が頑張れるかどうか」という根性の話ではありません。「この方の足に、立位で体重が乗るか」「姿勢を保てるか」「立っている間にパニックを起こさないか」という、体と気持ちの安定性の話です。
もし立ち上がりの時点でふらつきが強い、表情に不安が強く出ている、膝がガクガクしている、声を掛けても返事が遅い、こうしたサインが見えているなら、1人でなんとかしようとしないほうが安全です。これは介助者の腰と肩を守るためでもあり、利用者さん自身の膝や股関節を守るためでもあります。必要だと思ったら、堂々と「これは2人でお願いしたいです」と周囲に伝えることが専門職としての判断になりますし、その状況をチーム内や担当のケアマネージャーさんに共有しておくことは、次回以降のケアプランの質の向上にもつながります。
ここで強調したいのは、「2人いれば楽」という軽い話ではなく、「2人いなければ危ない」というラインがはっきりあるということです。そのラインを言葉にして伝えられる人は、現場でも試験でも、安心して任せられる存在になります。一人でムリに抱え込んで、利用者さんの膝を捻ってしまったり、自分の腰を傷めてしまったりしては、誰も幸せになりません。最初から安全な形を準備する力こそ、正しい仕事の仕方だと考えてほしいのです。
第2章の結びとして伝えたいのは、移乗介助は「良い抱え方」だけではなく、「良い並べ方」「良い高さ」「良い声かけ」「良い人数」という、いくつもの小さな準備の積み重ねだということです。そして、一番大切なのは近さです。お臍同士を近づけることで、安心と安定が生まれます。安心と安定があるから、利用者さんも自分の力を出せます。二人で同じ方向に進んでいるという感覚を作ることこそ、ベッドから車椅子への移乗で一番守りたいところなのです。
第3章…車いすからベッドへ戻す時が一番危ない~「もう終わりだよね」の気の緩みがケガになる~
ベッドから車椅子へ移る時よりも、車椅子からベッドへ戻す時の方が、実はずっとヒヤッとしやすい場面です。何故かというと、介助する側の心の中に「これで横になればお終いだから、ひと安心」という空気が生まれてしまいやすいからです。いわば、気を抜きたくなる瞬間がここなのです。ところが、この「安心しかけた瞬間」こそが危ないのです。相手の体は、もう疲れています。座っていた時間でふらつきが強くなっていることもあります。呼吸も少し早くなっているかもしれません。そこに一気に動きを重ねると、転倒や関節の捻り、血圧の急な変動など、いろいろなトラブルが起こりやすくなります。だからこそ、戻す時こそ、丁寧に、ゆっくり、最後まで見守ることが必要になります。
ベッド側を低くしすぎないほうがいい理由
まず確認したいのは、ベッドの高さです。車椅子からベッドに戻す時、つい「座ったまま横に移しやすいように」と考えて、ベッドを低くし過ぎてしまうことがあります。けれども、あまりにも低いベッドだと、介助する人が深く屈みこんだ姿勢で相手の重さを受けることになり、腰への負担が一気に跳ね上がります。介助者の腰に負担がかかる状態は、そのままふらつきの発生リスクにもつながります。もし介助者が腰を庇って体勢を崩すと、支えられている人もバランスを崩しやすくなるからです。
さらに、単純に「車椅子より低い場所へ下ろす」のは見た目ほど楽ではありません。立ち上がって向きを変えて、少し腰を下して、それからさらにベッドへ導くという流れの中で、ずっと体重が移動し続けているからです。例えば、車椅子の座面よりベッドがあまりにも低いと、座ろうとした時に「ストン」と落ちるような形になってお尻を痛めることもあります。腰椎や尾てい骨の弱い方だと、その一瞬の衝撃だけでも強い痛みに繋がります。つまり「とにかく低く」は正解ではありません。「その人が無理なく腰を下せる高さ」「介助する側も支えられる姿勢を保てる高さ」の間で調整することが大切なのです。
安心させながら動きを合わせることが、いちばんの安全装置になる
車椅子から立ち上がってもらい、ベッドの縁に向き直って腰を下し、そこから上体をゆっくり倒していく。この一連の流れは、本人にとっては体力をたくさん消耗する時間です。特に長い時間座っていて肩で息をしているような状態や、足元がガクガクしている状態では、細かい動き1つ1つのたびに全身が限界に近づいています。だからこそ、介助者のやることは「運ぶ」ことではなく「一緒に落ち着かせていく」ことです。
「では立ちますよ。ゆっくり前に体重をかけましょう」「そのまま、1歩後に下がりますね」「はい、そろそろ腰を下します。お尻をこの位置に下しましょう」「よくできました。今足は大丈夫そうですか」「では体を少し横に倒しますね。息はふーっとゆっくり吐きましょうね」。このように、段階ごとに声をかけて、今どこまで進んでいるのか、次に何が起こるのかを、本人に伝え続けることが安心感になります。この安心感は、実は安全を生む力です。不安な人は体を固くし、固い体はバランスを崩しやすく、崩れた時に大きく倒れがちです。逆に、何が起こるか分かっている人は、余計な力を入れずに自分の重心を調整できます。つまり声掛けは、気持ちを落ち着けるおまじないではなく、実際に転倒や転落を防ぐための具体的な道具なのです。
この「安心の声」は、介助者自身の安全にもつながります。相手がパニックに近い動きで身体を預けてくると、介助者は予期せぬ方向に重さを受け止めることになり、腰や肩を一気に痛めます。ゆっくり声で道筋を示すことで、二人の動きが揃い、重さの移動も読みやすくなるのです。ですから、車いすからベッドへ戻す時ほど、丁寧に声をかけることを惜しまないで欲しいのです。
「もう寝るだけだから」は一番危ない考え方です
人の体は、横になる瞬間に一気に血流のバランスが変わります。ずっと座っていた状態から、短い時間で横向きになり、上体を預け、頭を枕に乗せる。この流れの中で、血圧が急に変動したり、脳に回る血液の分布が変わったりして、フッと意識が遠のくような表情になることがあります。特に脳血管の既往がある方や、心臓に不安がある方、あるいはとても疲れている方だと、ほんの数秒で顔色がスッと白くなることも珍しくありません。ここで介助者が「はいオッケー、お疲れ様でした」と手を離してしまうと、横になった直後に呼吸が浅くなっていたり、頭が変な角度になっていたりしても気付けません。
本当は、横になった後こそ、大事な観察が始まります。まずは「眩暈はありませんか」「苦しくないですか」「足や腰に痛みはないですか」と優しく聞きながら、呼吸のリズムと顔色を見ます。呼吸が早過ぎたり、肩や首に力が入りすぎていたり、眉間にずっと皺が寄っているようなら、その姿勢はまだ楽ではない可能性があります。少し枕の位置を直す、膝の下にやわらかい物を入れて足を安定させる、肩が引っ張られていないように衣服を整える、そういった小さな調整があるだけで、横になった後の苦しさはかなり変わります。
つまり、「寝かせれば終わり」という考え方は正しくありません。「楽に横になれたところまでが介助」です。そこまで見届けることが、その方のその後の時間を守ることに繋がりますし、同時に介助者としても安心して次の動きに進めることにつながります。
緩みやすい気持ちにブレーキをかけるのも専門性です
車椅子からベッドに戻す介助は、精神的に「帰り道」に感じられることが多いです。日常の現場では、次の介助も控えているでしょうし、時間のプレッシャーもあるはずです。だからこそ、最後の場面ほど丁寧にするという姿勢は、実はかなりプロらしい振舞いなのです。「もう終わり」という言葉は、介助者自身の安心のための言葉でもあります。でも、相手にとっては「今まさに一番しんどいところ」かもしれません。立っていた足はもうヘトヘトで、腰を下す時に不安が一杯で、横になったあとは脳がクラクラしているかもしれないのです。
その不安定な数十秒を、きちんと支え切ること。最後の声掛けまで落ち着いて届けること。「はい、俯せになりましょう」や「上向きで休みましょう」といった体勢の誘導も、勝手に腕を引っ張るのではなく、「この向きで寝ると楽そうですか」と問い掛けて、一緒に決める形にすること。こういった1つ1つが、安全で安心なケアの積み重ねになっていきます。
第3章で伝えたい結論はとてもシンプルです。車椅子からベッドに戻す場面は、「後は寝るだけ」という場面ではなく、「もっとも崩れやすい最後の山場」だということです。だからこそ、ベッドの高さをきちんと整え、ふたりの体の動きを合わせ、声で道筋を示し、横になった後も呼吸と表情を見守る。この数十秒を疎かにしない人こそ、本当に安心して任せられる介助者なのだと言えます。
第4章…実技試験で見られていること~時間配分と振舞い方のコツ~
介護福祉士の実技は、派手な技を見せる舞台ではありません。むしろ真逆です。モデルさんと試験官さん、そして受験するあなたの合計で3名という、とても小さな世界の中で、あなたがどれくらい安心して任せられる人かを確認する場です。言い替えると、あなたが相手の体と気持ちをきちんと守れる人かどうかを静かに確かめるテストです。
まず大事なのは、安全な流れを組み立てる力です。これはいきなり体を動かすのではなく、相手の状態を見ることから始められているかという視点です。例えば、「今から起き上がりましょうね」と、次に起こることをやさしく予告できているかどうか。目線を合わせて、体調や痛みの確認ができているかどうか。「大丈夫ですか」という問い掛けをした後、ちゃんと返事を待っているかどうか。これらはすべて評価の対象になります。
何故なら実技では、受験者さんが相手の同意を得ないまま体を動かすことをとても嫌います。たとえ動作そのものが多少ぎこちなくても、「今からこうします」「ゆっくりいきますよ」と伝え、相手と気持ちを合わせながら行っていれば、安心して見ていられる介助になります。安心して見ていられる介助というのは、すなわち合格ラインに届く介助だと考えてよいのです。
お臍とお臍を近付けることはただの合言葉ではなく評価ポイント
ベッドから車椅子、車いすからベッド。このどちらの場面でも、体同士の距離が遠いとグラグラして危ないのは、既にお話しした通りです。実技でもここはしっかり見られます。支える時に腕だけを伸ばして、相手の体重を自分の腰で受けてしまうような形になると、「この人は現場に出たら自分の腰を壊すな、相手も転ばせるな」と判断されてしまいます。
それに対して、お臍とお臍が近い位置で、しっかり体を寄せる形をとれていると、「安定した支え方が分かっている」と見なされます。これは単に物理的な安定の話だけではありません。近い距離というのは、心理的な安心にもつながります。モデルさんはあなたの本当の担当利用者さんではありませんから、いきなり触られるのは不安です。だからこそ、声をかけ、合図を出し、正しい距離で支えるという流れは、そのまま「信頼できる介助者」という評価に繋がっていきます。
ここでよくある躓きが、「恥ずかしさ」です。実は、抱える時に距離を取ろうとする人は少なくありません。「近いと何だか悪い気がする」という心のブレーキがかかるわけです。でも、実技の場面ではそのブレーキは外してください。近いことは正しいこと、という意識を持ってください。距離を開けることの方が、危険で、雑に見えてしまうのです。
足元と膝の向きに気付ける人は現場に出しても安心と思ってもらえる
もう1つ、とても評価されやすいポイントがあります。それは、腰や上半身ばかり見ずに、相手の足元を気にしているかという点です。実技では、立ち上がる、向きを変える、腰を下ろす、横になる、といった一連の流れを短い時間の中で進めることが多いのですが、そのどの場面でも、膝の捻じれや足裏の位置を気にしていない介助は、とても危ない介助だと受け取られます。
特に注意したいのは、振り向く時です。立位のまま90度ちょっと向きを変えていすやベッドに座る、という動きは介護ではよくある形ですが、ここで足が床に固定されたまま上半身だけが回されると、膝に大きな捻りが加わります。これは高齢の方や骨が脆い方には致命的なリスクです。だから、あなたの口から「ゆっくり一緒に向きを変えますね」「右足を少し横にずらしますね」などの声が出ているかどうか。足の位置まで気づいて声にできているかどうかは、試験官がとてもよく聞いているところなのです。
この「声にする」というのは本当に重要です。頭の中で分かっているだけでは伝わりません。試験官は心を読むことはできませんから、あなたの口から安心の道案内が出てこないと、出来ていないと判断されてしまうことがあります。ですから、少し大袈裟かなと思うくらい、丁寧に言葉で道順を示してあげると良いのです。
時間配分は「急がず、でも止まらず」が理想
実技には制限時間があります。ここで多くの人が焦ります。焦るとどうなるかと言うと、声掛けが雑になり、確認が省かれ、動きだけを進めてしまいます。これは減点のもとです。逆に、声掛けばかりでほとんど動けないまま終わってしまうのも、同じように高く評価はされません。どちらも極端だと受け取られるからです。
一番良いのは、「ゆっくりだけど、流れは止めない」という進め方です。例えば「起き上がりますね」「ふらつきはありませんか」「では座りましょう」「車椅子をこちらに近づけますね」「立ちますよ、一緒にいきますね」と、段階を切らさず、でも一歩ごとに声を添えるイメージです。うまい人は、声掛けと動作が同時進行します。これが出来ると、制限時間の中でも落ち着いて見えますし、安心して見ていられる介助になります。
そしてもう1つ安心して欲しいことがあります。制限時間の中で、最初から最後まで完全に予定通りのメニューを全てやり切らないといけない、というわけではありません。大事なのは、途中で止まったとしても、そこまでの過程が安全で丁寧であったかどうかです。安全の確認と声による合図、体と体の距離、足元の配慮。これらがきちんと示せていれば、動きが途中で終わっても「これは安心して現場に出せる」と判断してもらえる場合は十分にあります。逆に、時間内に形だけ最後まで終わっても、乱暴だったり雑だったりすれば、それは評価されません。
言い替えると、実技は「ゴールにたどり着いたかどうか」よりも「相手と安全に向き合う姿勢があるかどうか」を確かめる試験なのです。だから、焦って早回しにしなくて大丈夫です。焦りはそのまま乱暴さに見えます。落ち着いて合図を出し、相手の表情を見て、ゆっくり同じ方向に進んでいく姿を見せることこそ、一番伝わってほしい部分なのです。
その場の「設定文」をちゃんと受け止めているかどうかも採点される
実技では、事前に「この人はこういう状態です」「こういう困りごとがあります」という設定が示されます。例えば、「左側に麻痺があり、立位は介助付きで短時間だけ可能」とか「起き上がると眩暈が出やすいのでゆっくり角度を上げてほしい」といった情報が、予め説明されます。この情報は、ただの飾りではありません。むしろ、その情報を踏まえてあなたが動けるかどうかが、直接的に評価される部分です。
つまり、あなたがやっている介助が「誰に対してのものか」を、試験官に分かるように表現できているかどうかが大事なのです。例えば、「左側は少し力が入りにくいですね。こちら側は私が支えますから安心してくださいね」と声をかけると、「この人は設定を理解した上で、そこに合わせた介助をしているな」と伝わります。これがないと、「ただ教科書通りに動いているだけ」に見えてしまいます。教科書通りは悪いことではありませんが、現場では一人一人が違うという現実があります。その違いに合わせる姿勢が見えると、あなたは現場で応用できる人だと評価されやすくなります。
しっかり伝えておきたいのは、実技試験はあなたを落とすための罠ではないということです。危ないことをしない人、相手を怖がらせない人、場面に合わせて考えようとする人を、きちんと見つけるための場です。だから、見られているのは「綺麗な動き」よりも、「丁寧な関わり方」と「安全を優先する姿勢」なのです。
第4章の締めとしてお伝えしたいのは、安心してもらえる介助が、そのまま合格に近づく介助だということです。声を掛けて、同意を得て、ゆっくり予告して、体と体を近付けて支え、足もとと表情を同時に見て、時間の中で落ち着いて進める。この一連の振舞いが揃っている時点で、あなたは既に「この人なら任せられる」と思ってもらえるラインに立っています。実技は特別な芸ではありません。普段の介助の中で当たり前にやって欲しいことを、そのまま目の前で形にするだけなのです。
[広告]まとめ…介護技術はゆっくり・近く・一緒に
ベッドで横になっている人を起こして、座ってもらい、立ってもらい、車いすに移ってもらい、またベッドに戻って横になる。この一連の流れは、見た目は日常のワンシーンに見えるかもしれませんが、その中にはたくさんの山があります。相手の体をどう支えるかという力の山。気持ちをどう落ち着かせるかという不安の山。そして、介助する側の体をどう守るかという負担の山です。だからこそ、介護の現場でも国家試験の実技の場でも、一番高く評価されるのは、派手なすごい動きではなく、安心して見ていられるゆっくりとした段取りなのです。
まず大切なのは、「動かす前にもう始まっている」という考え方です。いきなり身体に手を入れるのではなく、目線を合わせて名前を呼び、体調を尋ね、今から何をするのかを静かに予告するところから介助はスタートします。「今から少し起きていきますね」「気分はどうですか」「ゆっくりで大丈夫ですよ」といった声掛けは、優しく聞こえるだけではありません。本人の同意を得る行為であり、心の準備を手伝う行為であり、筋肉の強張りを減らして安全に動いてもらうための実質的なケアです。つまり、声かけは礼儀ではなく、安全装置です。
次に大切なのは、「体の近さは安心の近さ」という考え方です。ベッドから車椅子へ、あるいは車椅子からベッドへ。立ち上がりや向きかえの瞬間に、介助する人と相手の人の体が遠いまま無理に支えようとすると、両方とも辛い形になります。介助者は腰で全部の重さを受けることになり、相手の人はグラグラと揺れる不安を味わうことになります。そこで合言葉になるのが「お臍とお臍を近くに」です。お臍どうしが近い位置で体を支えると、重心が纏まり、二人は1つの塊のように安定して動けます。これは受け止める側の腰を守ると同時に、支えられる側に「ちゃんと支えられている」という実感を与えます。この安心感は、そのまま転倒予防にも繋がりますし、協力してもらいやすくなるという意味でも大きいのです。
そしてもう1つ忘れてはいけないのは、「足元を見る目」と「最後まで見届ける姿勢」です。立ち上がって向きを変える時に、足裏が動いていないのに上半身だけ回されると、膝に捻じれが生まれます。この捻じれは、高齢の方や骨が弱い方にとって、取り返しのつかないケガの入口になりかねません。だから、向きを変える時こそゆっくり声をかけて、一緒に少しずつステップしてもらうことが大切になります。また、車椅子からベッドに戻す場面では、「もう横になればお終い」という気持ちが介助側に出やすいのですが、そこにこそ油断のワナがあります。横になった後の呼吸の速さ、顔色、表情、眩暈の有無。ここを確認せずに手を離してしまうと、一番不安定なタイミングで相手を一人にしてしまうことになります。本当のゴールは「寝かせた瞬間」ではなく、「楽に横になって落ち着けたところ」までです。
国家試験の実技では、こういった1つずつの気付きが、そのままあなたの評価になります。ゆっくり声をかけて安心させているか。次に何が起こるかを予告しているか。相手の状態に合わせて距離を近付けて安全に支えているか。足元や膝の向きまで気を配っているか。そして、途中で時間切れになりそうでもパニックにならず、落ち着いて「一緒に進んでいる感覚」を保ち続けているか。これらは全て「この人なら現場に出しても大丈夫」という判断材料です。逆に言えば、全部をやり切ることより、「安心して任せられる人」と思ってもらえる振舞いの方が重要なのです。
まとめると、介護技術の土台は、力ではありません。スピードでもありません。「ゆっくり」「近く」「一緒に」という3つの姿勢です。ゆっくりとは、丁寧に合図を出しながら進めること。近くとは、お臍同士が逃げない距離で安定をつくること。一緒にとは、「こちらが動かす」ではなく「二人で移る」という気持ちで声と手を添えること。この3つが揃った時、介助される側は安心して身を預けることが出来ますし、介助する側も腰や肩を守りながら、安全な流れを保つことができます。
介護は、体を起こして、座って、立って、座って、横になるという動きをただこなす仕事ではありません。相手の不安を和らげ、体の負担を減らし、尊厳を守ったまま次の姿勢へ導く仕事です。ゆっくり声をかけ、近い距離で支え、最後まで一緒にいて「楽に休めるところ」まで届ける。これが、プロとしての介助であり、安心して任せられる介助であり、将来の現場に繋がる介助なのだと、どうか胸に置いておいてくださいね。
⭐ 今日も閲覧ありがとうございましたm(__)m 💖
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コメント ( 1 )
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全然大切なことなんて書かれていない。
読んで損した。