スカッとモチベーション!もうダメな勇者が最後に読んだ全回復の書

目次
はじめに…「やる気、どこいった?」とつぶやいたその日から
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「勇者、起きてください」
目覚まし時計の音すら聞きたくない朝に、脳内で誰かがそう囁いた。
だけど正直、無理だった。
仕事のタスクは山積み。
上司はラスボスみたいな圧。
パーティメンバー(=同僚)はそれぞれ勝手に動き、町の道具屋(=経費申請)は書類不備で却下。
そう、勇者は完全にやる気を失っていた。
ステータスで言えば、
【HP:かすり傷】【MP:ゼロ】【やる気ゲージ:???】
そんな状態で“納期の塔”へ登れというのか?!
でも、あの日――
ふと目にした一枚のスクリーンに映るメッセージ。
「モチベーションは、ダメになってからが本番です」
そう言ったのは、どこの誰でもない。
かつて“伝説の社畜”と呼ばれた勇者だったらしい。
やる気が出ない。もう無理。立ち上がれない。
でも、もしそこからもう一度立ち上がれたら?
もし“やる気の剣”がどこかにあるのなら、探しに行こうじゃないか。
これはそんな、やる気ゼロの勇者が“全回復”して“完クリ”するまでの冒険譚。
あ、言っておくけど、ちゃんと最後にスカッと勝ちます🩷。
第1章…崩れた“納期の塔”とやる気ゼロ勇者の転落
その日、勇者は“納期の塔”の最上階にいた。
スケジュール表という名のマップを広げ、装備は社内チャットと報告書フォーマット。
戦闘力は……ゼロに近かった。
「もうちょっとで終わります!」と言ってから二日目🩷。
塔の壁には“仮提出版”という貼り紙が風に舞い、後ろから聞こえる足音――上司という名のラスボスが近づいていた。
「これ、まだ上がってないの?」
低い声とともに、勇者のやる気は足元から崩れ落ちる。
ザザ……
その瞬間、塔は揺れた。
タスクという名の石がゴロゴロと降ってきて、勇者は“モチベーションゲージ”の残量を失ったまま、見事に転落した。
下には「リマインドの谷」と「先送りの沼」が広がっている。
谷底からは、かつての冒険者たちの声がこだまする。
「やる気はどこに行ったのか…」
「昨日までは確かにあったのに…」
「タスクって、何で分裂するの?」
勇者は思った。
いや、感じた。
ああ、これが“やる気ロスト状態”か…
自分の中に火が灯らない。
MPが自然回復もしない。
回復アイテム(甘い飲み物)すら効かない。
何より恐ろしいのは、「このままでは自分が消えてしまう」という感覚。
ただのサボりではない。
これは存在意義レベルの崩壊だった。
そして、谷底の泥に沈みながら、勇者はつぶやいた。
「……やめたい。いや、転職か? それとも記憶を消すか?」
そう、ここが物語の始まり。
やる気ゼロ勇者が、いよいよ“本当のやる気”を取り戻すまでの旅に出る準備が、静かに、そして確実に始まろうとしていた。
第2章…やる気の剣はどこ?アピールの沼と中間監査ドラゴン
転落から三日。
勇者はようやく、沼地の底で目を覚ました。
そこは「アピールの沼」――自分のがんばりが、誰にも届かない世界だった。
「資料、出してたのに見られてなかった…」
「先にやってたのに、後からやった人が評価された…」
「“見える形で動く”って何?オーラでも出せばいいのか?」
泥のようにネバつく後悔と苛立ちが足元をつかみ、一歩ごとに、足が取られる。
そのとき、上空から影が落ちる。
バサッ…!
とてつもなくデカい“中間監査ドラゴン”の登場だった。
「この件、どこまで進んでる?」
「前回の会議で出てたよね?」
「あと、なんで報告してなかったの?」
やめてくれ…今はまだ、戦える状態じゃないんだ…
勇者は震える声で言う。
「…いま、途中でして…」
だが、ドラゴンは許してくれない。
その口から吐き出されたのは、**「進捗報告フォーマット」**の炎!
一瞬で脳内に広がる“あれ書いたっけ?”のパニック。
記憶の中からメモを探すが、時すでに遅し。
「〇月〇日、対応中」とだけ書かれた自分のログが、頭の中で点滅していた。
逃げようにも、アピールの沼が足をつかむ。
「評価されてない気がする」
「目立たないと存在しないことになる」
「タスクより、“タスクをやってますアピール”の方が重要って、何それ?」
そのとき、どこかで光が見えた。
沼の中に、沈みかけた剣――
名もなき“やる気の剣(未認証)”が、光を放っていた。
「これか…?」
勇者は泥だらけの手で剣を掴む。
だが、引き抜くには“承認”が必要だった。
上司のハンコか、メールでの返信、もしくは会議での明言。
……つまり抜けない。
そんな状態で勇者はまたもや、力尽きて倒れ込んだ。
ドラゴンは去っていったが、勇者の心に残ったのはひとつ――
「俺、評価されない場所で、何を探してるんだろう…🩷」
それでも、その剣は、確かに彼の手の中で光っていた。
第3章…言い訳の洞窟と責任転嫁ゴーレムの誘惑
アピールの沼をなんとか抜け出した勇者は、森を越え、次にたどり着いたのが――
「言い訳の洞窟」。
そこは暗く、静かで、居心地がいい。
どれだけやる気がなくても、なぜか堂々としていられる、不思議な空間。
入口にはこう書かれていた。
「ようこそ、“仕方なかった”の館へ」
洞窟の中には、無数の彫像が並んでいる。
「時間がなかった」「指示が曖昧だった」「他部署のせい」
それぞれの台座には、納得できそうでできない“理由”の石碑が添えられていた。
そんな中、ひときわ大きな石像が立ち上がる。
そう、彼こそがこの洞窟の主――
責任転嫁ゴーレムである。
「勇者よ。お前が進まなかったのは、お前のせいじゃない」
「計画通りに進めなかったのは、タスクを増やした上司のせい」
「モチベが下がったのは、環境のせい、社会のせい、全部…外だ」
その声は優しく、温かく、そして危険だった。
勇者は一瞬、心がとろけそうになった。
あぁ、このゴーレムのせいにすれば、どんな失敗も怖くない。
完了報告書に「不可抗力」と書けば、それで済む――
だがそのとき、勇者のポーチの中で、小さな鈴が鳴った。
“やる気の剣(未認証)”が、かすかに光を放っていたのだ。
剣の柄には、小さくこう刻まれていた。
「言い訳で動かぬ者に、抜く資格なし」
ハッとした勇者は、洞窟の奥にあった“自分の姿”の鏡を見つめる。
そこに映っていたのは、頬に泥をつけ、言い訳に寄りかかりながら立ち止まる、自分自身の姿だった。
「……それでも前に進みたい」
「誰かのせいにしないで、完クリしたいんだ…!」
その瞬間、ゴーレムは崩れ落ち、洞窟の壁が崩れ始める。
勇者は再び剣を握った。
まだ抜けない。
けれど、確かに一歩、進んだ感触があった。
外の世界は相変わらず眩しく、めんどくさくて、不条理だけど、洞窟の外は、少しだけ風が気持ちよかった🩷。
第4章…休息の精霊ミネルと“再起動の焚き火”
倒したはずの責任転嫁ゴーレムの影を背に、勇者はふらふらと進んでいた。
心は軽くなったようで、でも体は重いまま。
言い訳の洞窟を抜けた先にあったのは、**“立ち止まりの森”**だった。
静かすぎる。
風の音すらしない。
そこにぽつんと、小さな焚き火が灯っていた。
その火の前で、少女の姿をした何かが静かにこちらを見つめている。
「……あなた、ずっと走ってきたのね」
その声は、なぜか懐かしかった。
彼女の名は休息の精霊ミネル。
昔、どんな冒険にも“キャンプ”という名の休憩を用意してくれていた存在だ。
「立ち止まることに、罪悪感を持ってはいけません」
「進まないときにしか見えない景色があります」
そう言って差し出されたのは、あたたかいスープと小さな毛布。
勇者は最初、ためらった。
でもそのスープを一口飲んだ瞬間、張り詰めていた全身がふわっと緩んだ。
「やる気が出ないからって、あなたがダメなわけじゃない」
「炎が燃え尽きる前に、薪を足してあげる時間も、旅には必要なの」
そう言いながら、ミネルは勇者の手に“やる気の剣”をもう一度そっと置いた。
今度は、少し軽く感じる。
握る手にも力が戻ってきた。
焚き火のそばには、かつての冒険者たちが残した言葉が並んでいた。
「セーブして寝たらクリアできた」
「一回寝てから考えたら、ラスボスが雑魚に見えた」
「全ては“睡眠とカフェイン”で解決」
ミネルはにっこり笑って言う。
「再起動の条件、それは休息と“ちょっとの気持ち”よ」
「今日のあなたは、ちゃんと立ち止まった。それだけで立派」
勇者は静かに目を閉じた。
そして、焚き火のぬくもりの中で誓う。
「明日、もう一度、剣を抜いてみよう」
その夜、久しぶりに深く、深く眠った🩷。
第5章…覚醒!やる気の剣・真の姿とブラック魔王の最終戦
朝日が差し込む森の中。
焚き火は小さくなっていたが、勇者の心には確かな“芯”ができていた。
スッと立ち上がり、やる気の剣を見つめる。
手に持った剣が、ポッと光を放った。
その刃には、こう刻まれていた。
「ちゃんと寝た者に、抜く資格あり」
シュッと風が通り抜けるように、勇者の手の中で剣はすんなりと抜けた。
その瞬間、遠くで雷が鳴った。
塔が、城が、社内チャットが震えた。
「ブラック魔王・カンショ」が目覚めたのだ。
「おまえ…まだいたのか」
上司の声に似た、あの低く重たい音が響く。
「今さらやる気出したって、終わりは変わらんぞ」
「もう全部、誰かがやってる。おまえの役目など、ない」
それでも勇者は一歩、踏み出す。
「俺のやる気に、“誰かの許可”はいらない」
戦いが始まった。
魔王は“即レスビーム”を放つ。
勇者は避けながら、やる気の剣で「いい感じのテンポ」を守る。
魔王が叫ぶ!
「先に進め!」
「で、報告は?」
「会議で共有してたよね?」
そのすべてを受け流しながら、勇者は叫ぶ。
「俺は、俺のペースで進む!」
「タスクを倒す前に、まず“納得”を装備するんだ!」
魔王の表情がゆらぐ。
そして、渾身の一撃――
「やる気の剣・再起動斬(リスタートスラッシュ)」!
ズバァン!
社内に走る衝撃。空気が変わる。
チャットは静かに、通知は止まり、画面にはこう表示された。
「タスク、完了しました。」
魔王は煙のように消えた。
勇者の背後には、ミネルがそっと立っていた。
「おつかれさま。よくがんばったね」
勇者は静かにうなずき、やる気の剣をそっと鞘に納める。
その剣には、もう「未認証」の文字はなかった🩷。
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まとめ…スカッと完クリして伝説は次のタスクへ…
「このタスク、終わりました」
その報告を受け取った瞬間、静かに震えたのは――
理事長室のドアだった。
経営陣の眼差しが、冷たい。
「この程度で満足か?」
「次は何ができる?」
だが勇者は、もはや迷わなかった。
「次は、自分で決めます」
「必要のないムリゲーは、もう受けません」
「言葉ひとつで人のやる気を奪う仕組みには、剣を向ける覚悟があります」
理事長の額に、ヒビが入る。
背後に控える「会議の魔獣」や「方針変更の精霊」たちが、ざわついた。
ザシュッ!
やる気の剣が放たれたその瞬間、古びた社訓が斬られ、貼り出されていた「根性で乗り越えよう」のポスターが、静かに崩れ落ちた。
そして、世界に静寂が訪れる。
勇者は背を向け、歩き出す。
その背中にミネルの声が届く。
「あなたの旅は、今日終わったんじゃない。今日、“自由に選べるようになった”のよ」
ふと見上げた先には、空があった。
いつの間にか、タスクの山ではなく、未来の景色が広がっていた。
最後に勇者はつぶやいた。
「次のセーブは……ちょっと遠くにしてみるか🩷」
そして、新たな“やる気の書”が静かに閉じられた。
ページの端にはこう刻まれていた。
『スカッと完クリ。つづきは、あなたのタスクの中にある』
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